日別アーカイブ: 2011年8月24日

打ち込みよもやま話:Velocity編

「Velocity(ベロシティ)」とはNoteに設定できるパラメータの1つで、
そのNoteの発音の強さに関係する数値です。
決して舌で舐められるような街のことではありません。

このパラメータには0~127の数値が設定でき、基本値は100。
音を強く出したいときは値を大きく、弱くしたいときは値を小さくします。そのまんまですね。
音楽に抑揚をつける時に欠かせない、大事なパラメータなのです。

曲を作る時に一番多用されるのはパーカッションを入れる時でしょうね。
パーカッションは音程が一定なので、Velocityをいじってあげないと
のっぺりベタ打ちになってしまって聴いてて全く面白くなくなっちゃいます。
いじるならいじるで聞こえのいいように調整するのが難しいんですが……こればっかりは
実際にやってみて覚えていくしかないです。
アクセントや抑揚を意識して音楽を聴くのが大事ですね。

工夫した使い方もあります。もっぱらドラムにしか使いませんけど。
オープンハイハットというシンバルの音がありまして、
この音は1回鳴らすとクローズドハイハット、またはペダルハイハットの音が来るまで
鳴り続ける特性があります。
逆に言うと、オープンの音を終わらせるにはクローズドかペダルを鳴らさないといけないわけです。
もちろん少し時間が経てば自然に止まりますけど、曲のノリを引き出す時に
オープン止めたいけどクローズド・ペダルは要らないって時がたまに出てくるんです。
そういう時にもVelocityが役に立つんですよ。

オープンの音を止めたい場所にVelocityを1にしたクローズドかペダルを設置します。
すると綺麗にスパっとそこでオープンの音が止まり、余計な音も聞こえなくなるんです。
テクノな曲で多用するとかっこいいですね。
ちなみに、音源にもよりますがVelocityは大体10前後の値から「無音」と扱われます。
超弱い音を鳴らしたい時、値を小さくしすぎないように注意しましょー。
さらにちなみに、Velocityの値を0にするとそのNoteは何もしないものとして扱われるようです。
オープン止める時にVelocityを0にしちゃうと、オープンが鳴り続けちまうわけです。
これも気を付けたいところですね。

できる限り全てのパート・全てのNoteに設定してあげたいVelocityですが、
逆に設定しない方がいい場合もあります。
例えばパッドなどの音圧を稼ぐシンセ楽器のパートは、
下手にVelocityを使って揺らがせるより何もしないでおく方が、曲のバランスが安定します。
矩形波、ノコギリ波といった動くシンセ音も、Velocityをいじらない方がいい時があります。
曲の雰囲気、聞こえの良さとよく相談して設定しましょう。

前回出てきた「ヒューマナイズ」ですが、これはVelocityもランダムで散らしてくれます。
実に便利な機能ですが、この機能は下手に使うとNoteの発音位置が被ったり
折角設定したVelocityの値が予想外に散ってしまったりと、弊害が発生することがあります。
俗に言う諸刃の剣ってやつですね。これからやろうって人はマジで気を付けてください。

次のよもやま話は「VolumeとExpression」だと思うよ。