打ち込みよもやま話:SoftPedal編
かれこれずっと常駐で作業でした。
そして明日からまた常駐^p^
ちょっと帰ってきた隙にブログ更新してみたりする。
久方のよもやま話は「Soft Pedal(ソフトペダル)」についてです。
Soft Pedalとは音の柔らかさを設定するパラメータです。
初期値は0で、0~127の値を設定できます。
グランドピアノを弾く時、足元に色々ペダルがあるのはご存じですか?
踏んでいる間、弾いた音が伸びるペダルと、
音質を少し弱く丸くするペダル、
あと特定の1音だけを伸ばすペダルの計3つがあります。
Soft Pedalは2番目の音質を変化させるペダルと似たような働きをするパラメータなのです。
なお、このパラメータも標準搭載MIDI音源では対応してないので
使っても効果がありません。くやしいのうwwwwくやしいのうwww
それはさておき、このパラメータを設定する際にはちょっと注意が必要です。
初めに値は0~127を設定できると書きましたが、
実は0~63の値を設定しても特に効果が無く、64~127の値を設定することで
パラメータの効果が100%現れるようになります。
実質、ONかOFFかしか設定できないのと一緒ですね。
このパラメータで得られる音質の変化はBrightness等とはまた異なり、
それらのパラメータで設定しきれない細かいニュアンスを
表現する時に使うのが主です。
Resonanceの設定限界値以上にクセを無くして音を丸くさせたいときとかも、
Soft Pedalを使えば多少は丸くすることができます。
…もっともそういう状況は滅多にないので、
このパラメータにお世話になる機会は稀ですね。
決して使えないパラメータではないのは確かですけど。
試しに使ってみて、しっくり来たらそのまま使っといて、ダメなら元に戻したらいいと思います。
ちなみに、本当のピアノのペダルみたいに踏んだり離したりって感じに
値を操作することも稀です。
ピアノオンリーのMIDIならアリですけど、「伴奏としてのピアノ」でやると
すっごいちぐはぐな感じになります。
聴く人の感じ方にもよると思いますが、得るものはあまりないので
俺はお勧めしません。
次回、よもやま話「未定」!
気が向いたらパラメータ以外で何か書きます。
打ち込みよもやま話:BrightnessとResonance編
常駐で会社から出ていたので、随分間が空いてしまいましたね。
久々ですが、よもやま話の続きです。
「Brightness(ブライトネス)」とは、そのパートの音の明るさを
設定するパラメータです。
ローパスフィルターとも呼ばれ、0~127の値を設定できます。
初期値は64です。
基本的に値を大きくすれば明るく、小さくすれば暗くなりますが、
楽器によっては一定以上は明るくなったり暗くなったりしない
限界値みたいなものが存在します。
限界値は楽器によっても異なる(っぽい)ので、一概にこの値と断定はできません。
耳で聞いて判断してください。
とはいうものの、先に断っておくとこのパラメータは標準MIDI音源では対応しておらず、
設定しても何の効果も得られません。
Resonanceも一緒です。悪しからず。
さて、音の明るさといってもよく分からないですよね。
ざっくり言うと、閉じてる音が暗い音で開いてる音が明るい感じになります。
口をすぼめて出した声は暗く、大きく開いて出した声は明るいのです。
この口のすぼまり具合を調整するのがBrightnessだと思ってください。
音を曲の雰囲気に馴染ませるために使うことがほとんどです。
そして、Brightnessとセットで使いたいのが「Resonance(レゾナンス)」。
こちらは音にクセを付けるためのパラメータです。
0~127の値が設定でき、初期値も同じく64。
楽器によって限界値があるのも一緒です。
Brightnessが口のすぼまり具合なら、
Resonanceは舌の広がらせ具合といったところでしょうか?
舌を平たく広がらせて声を出すと、なんか変な声になるじゃないですか。
Resonanceを上げると音があんな感じになります。
特徴の無い音やマイルドな音にアクセントを付け、目立たせるために使います。
どちらのパラメータもがっつり値を振れますが、実際に使うときは
大抵10程度、多くても20弱くらいしか振りません。
それだけパラメータの効き方が強いんです。
3振るだけでも随分変わってきますよ、マジで。
主に曲の雰囲気作りに使うパラメータ達ですが、
2つを組み合わせることでギターのワウを表現できるようになります。
ワウってのは名前の通り、音がワウワウする奴のことです。
うまいこと設定すると、ギュアオォーンってな感じの
かっこいい音を作れたりもします。
音源持ってる人は手軽に演奏をパワーアップできるので、
弄ることを勧めたいパラメータですね。
あんまワウワウしすぎるとバカっぽくなるのでご注意を。
次のよもやま話は……うーん、どうしようか。
標準MIDI音源でできることは、既に粗方話してしまいました。
「Soft Pedal」でもやっとく?
打ち込みよもやま話:ReverbeとChorus編
「Reverbe(リバーブ)」とは、そのパートの音の残響音を作るパラメータです。
初期値は40で0~127の値を設定できます。
値が大きくなると、大きな音でかつ長い残響音が発生します。
「Chorus(コーラス)」とは、そのパートの音の位相をずらした音を作り、
演奏者は1人なのにあたかも2人いるかのように見せてくれるパラメータです。
初期値は0で0~127の値を設定できます。
値を大きくしていくと、音が徐々に広がっていくような感じが得られます。
これらのパラメータは曲の雰囲気作りの上で非常に大きなウェイトを占めます。
打ち込みを拘っていればいるほど、ここでより素晴らしい演奏に昇華できるわけです。
が。
実はこのパラメータ、MIDIは標準でサポートしているものの、
PCに最初から付属しているMIDI音源はこの機能をサポートしていません!
つまり、
いくら上記のパラメータを弄ったところで
別な上質のMIDI音源を持っていないと意味がないのです。
これについてはもうどうしようもないので、
ネットでフリーのMIDI音源をダウンロードしてくるか
実費でMIDI音源をお買い求めください。
2~3万もあればいいのが買えますよ。
……という話はさておき、標準MIDI音源でReverbeとChorusを
擬似的に再現する方法を解説したいと思います。
実はとっても簡単です。
擬似Reverbeは、まずReverbeをかけたいパートをまるごと
別の空いているパートにコピーしてください。
コピーできたら、全Noteを16分~8分音符分後ろにずらします。
紐付くパラメータがあればそれもずらしてください。
最後にパートのボリュームを20~30程度下げます。
すると、そのパートのみですが音が響くようになります!
ほうら簡単もうできました。
擬似Reverbeをしているパートに対してさらに擬似Reverbeをかけると
さらに濃厚なReverbeを得ることもできます。
擬似Chorusも似たような感じです。
パートをコピーするところまでは同じで、コピーできたら今度は
両パートのVolumeを少し下げます。
さらに両パートで、Panを左右均等に振り、Pitch Bendも上下に均等に振ります。
すると、こちらも簡単にChorus効果が得られます。
同時に両方の効果を得たい場合は、
コピーしたパートにそのまま両方の設定をしてあげればOKです。
コピー元のVolumeとPanはあまり変えられないので
必然的にChorusは弱くなりますが、十分な効果は得られますよ。
擬似Reverbeおよび擬似Chorusをやる時に注意しなければいけない点が2つあります。
1つはパートを丸々1つ使うので、楽器をたくさん使う曲には不向きということ。
6、7パートにやるともうそれだけで
使用可能なパート数(=16チャンネル)をほぼ使い切っちゃいます。
もう1つはいずれの設定もドラムパートには適用できないということですね。
まぁできなくもないんですけど、やってもあまりいい効果は得られないのでお勧めしません。
さて、擬似の話がメインになっちゃいましたが
標準MIDI音源で扱える範囲がそこまでなので
これ以上詳しい話はしません。
でもこれで終わりじゃあんまりなので、
筆者がいつもやっているReverbe値の設定くらいは紹介しておきましょうか。
高音部の設定……60~90
高い音ってのは音量が控え目になりがちです。
それを考慮して音量を上げても、どうしても低音中音にかき消されてしまいます。
そこで、Reverbeを高めに設定してあげることで存在感を出し、
曲にキレを与えてあげるのです。
Chorusをかけてもいいですが、クセが強くなるので程々に。
中音部の設定……30~70
中音部は曲のメインとなる部分です。
ただでさえ存在感があるので、あえて強調してあげる必要は
あまりないでしょう。
曲のポイントになるパートは高めに設定。
ここで活躍するのはどちらかというとChorusですね。
低音部の設定……0~30
低音部はほとんどReverbeをかけません。
ホールでの演奏を想定している時を除いて、
値を低く保ち音のこもりを防いでいます。
適切な設定であれば、値を大きくすると壮大な感じになります。
ただし難易度は高めです。
Chorusはまず使いません。0でいいでしょう。
次のよもやま話は「BrightnessとResonance」だと思うよ。
打ち込みよもやま話:Modulation編
「Modulation(モジュレーション)」とは、そのパートの音に
ビブラートをかけるパラメータです。
0~127の値を設定でき、初期値は0。
値を大きくすればするほど、深いビブラートの効果が得られます。
ビブラートってのは鳴らしている音を上下に揺らがせる表現のことで、
演歌なんかだとめっちゃ多用されてますよね。アレですよアレ。
標準的なMIDIの場合、Modulationには致命的な弱点があります。
前回説明したように、ビブラートの速さを変更することができないんです。
厳密には別の数値をいじることで可能らしいんですが、非常にややこしい話になるので
ここで話をする上ではできないものとします。
どうしてもという人はPitch Bendで頑張ってください。
弱点はありますが、決して使えないというわけではありません。
適切に使えば十分なビブラート効果が期待でき、
表現の幅を広げてくれます。
テンポが120~180程度であれば、別段速さを気にすることもないでしょう。
値の設定の仕方は主に2種類あり、アナログ式とデジタル式に分かれます。
アナログ式はModulationの値を連続で変化させ続ける方法で、
多少リアルなビブラートのかかり方を得られます。
もちろん設定するのはめんどくさいです。
デジタル式は一定間隔をおいてModulationを設定する方法で、
発音から1拍おいたら弱く(20~40)、もう1拍おいたら強く(30~70)なるように
ある点ある点でModulationを設定します。
手軽にビブラート効果が得られ調整も簡単、しかも違和感も大してないという
筆者もお勧めの設定方法です。
メロディやギターを担当するパートに設定すると曲が豪華になりますよ。
MIDI音源モジュールという外部の音源を使う場合は、
ビブラートのタイミング、深さ、速さ等を一括で設定できる専用パラメータがあるので、
Modulationを使用するよりそっちを使うようにしましょう。
次のよもやま話は「ReverbとChorus」だと思うよ。
打ち込みよもやま話:Pitch Bend編
「Pitch Bend(ピッチベンド)」とは、そのパートの音程を
動的に変化させるためのパラメータです。
パラメータに値を設定すると、その瞬間にパート全体の音程が
上下する……口で説明するのは難しいですね。
分かりやすい例を挙げると、音と音を繋ぐタイとか
ギターのチョーキング奏法がPitch Bendに当たるわけです。
-8192~8191の値が設定でき、初期値は0です。
他のパラメータと比べると圧倒的に大きな数値ですね。
値を大きくすると音程が上がり、小さくすると下がります。
どれくらい音程を変化させるかは、「Pitch Bend Sensitivity(ピッチベンドセンシティビティ)」
というパラメータで設定します。Pitch Bend Rangeとも。
こちらには0~24の値を設定でき、値が大きいとPitch Bendを大きくした時に変動する
音程の幅が大きくなります。
初期値は2、1につき半音変動幅が広がるので2だと丁度1音分の変動幅になります。
1オクターブである12を設定しておくと便利ですよ。
変動幅がどうこう言ってますが、これは-8192ないし8191をPitch Bendに設定した時に
変動する音程を指しています。
Pitch Bend Sensが12でPitch Bendが4096だと音程は6上がるわけです。
ドレミで言うとドがファ#になります。何となく分かりますかね?
Pitch Bendが非常に大きな値で管理されているのにはいくつかの理由があります。
1つは大きな音程の変動に柔軟に対応するためです。
例えばPitch Bend Sensを24に設定した時、Pitch Bendの幅が-64~63だけだったとしたら?
値がおよそ5違うだけで半音分変化してしまいます。
丁度半音分ずらしたい時なんかは、5だと音が低すぎて6だと高すぎるなんてことになり、
上手く表現できなくなってしまいます。
もう1つは滑らかな音程の変化に対応するため。
ゆっくりなテンポの曲で1小節かけて音を半音変化させる、なんて時を考えてみましょう。
Pitch Bend Sensが24でPitch Bendの幅が-64~63だった場合、
音程が1ずつ階段状に変化していくことになり、とても滑らかとは言えません。
自由な表現を可能にするために、大きな値が設定できるようになっているのです。
以前Expression編で紹介したように、このPitch Bendは非常に汎用性の高いパラメータです。
エレキギターや電子音、トロンボーンなどの表現には、コレがないとお話になりません。ホビロン。
ピアノや木琴では音の動的な変化が物理的に不可能なので、ほぼ全く使いませんけどね。
では実際の使い方を紹介していきましょう。
まずは基本となるチョーキング&スライド奏法。
ギターやベースがギュインギュイン音を鳴らしているところはこれで表現します。
鳴らし始める音のタイミングと音程、目的の音を鳴らすタイミングと音程、
それぞれの値を直線的にPitch Bendで繋げばそれで終わりです。
例えばド→ファに変化させたい時、まずドかファで音を鳴らして
始点のPitch Bendを8192÷12×-5≒-3413(ファを鳴らした場合)と設定し、
終点のPitch Bendを0にして、始点と終点の値を直線的に繋ぎます。
すると音が滑らかに変化するようになります。
ここで、始点と終点の時間差を限りなく0に近づけると
瞬間的に音程を変化させるハンマリングオン・プリングオフが表現できます。
次は手動ビブラート。
MIDIのパラメータにはビブラートを表現するModulationがあり、これを使えば
簡単にビブラートを表現できます、が。
このパラメータ、曲のテンポに関わらず常に一定の速さでビブラートします。
ゆっくりな曲だとビブラートだけ忙しくなっちまうわけです。もう違和感バリッバリ。
それを解決してくれるのがPitch Bendによる手動ビブラート。
設定すんのはすげーめんどくさいんですが、綺麗にビブラートがハマった時の達成感もひとしおです。
ビブラートは基本的にサイン波(~)なので、一般的なMIDIシーケンサなら
恐らく描画機能をサポートしてくれていると思います。なければググって調べましょう。
一風変わった使い方でPitch Bendによるチューニングなんてのもあります。
Pitch Bendを使うと音程と共に音質も変化しています。
Pitch Bendの原理は元の音の波形を縮めたり引き伸ばしたりで動作しているので、
それに伴って音質の変化が起こるのです。
その音質の変化を利用して音色を変えてしまおうというのが
このピッチベンドチューニングなのです。
あるパートのPitch Bendを-8192か8191に設定し、パート全体の音程を1オクターブ変更して
Pitch Bendで上下させた分を相殺します。
すると、そのパート全体の音色が多少変化しちゃいます。
性質上、Pitch Bendを使用していないパートでないと使用できませんし、
音色によってはほとんど効果が無かったりしますが、
カンタンな手順で工夫ができるのでお勧めのテクニックです。
曲全体に対して少しだけランダムに音程を揺らがせる、
お馴染み(?)ヒューマナイズも可能です。
Note、Expression、Pitch Bendでそれぞれヒューマナイズを行うことで、
より生っぽい打ち込みを作ることができるんです。
これも下手にやると折角設定したPitch Bendが崩壊する危険があるんですけどね。
3種全てでヒューマナイズするのは大変なので、会心の一作が出来たときなんかに使ってみるといいかもです。
次のよもやま話は「Modulation」だと思うよ。
打ち込みよもやま話:Panpot編
出張やら何やらで日が空いてしまいましたが、よもやまの続きといきますか。
「Panpot(パンポット)」とは、音の出る位置を設定するパラメータです。
略してPanと呼ぶことが多いですね。
0~127の値を設定でき、64より小さければ左から、
64より大きければ右から音が聞こえるようになります。
初期値はど真ん中の64です。
使用するシーケンサによっては64を0として扱い、
-64~+63の値で設定するものもあります。
Dominoというシーケンサの場合、
表示は±64ですが入力には0~127で指定してあげないといけないので、注意が必要です。
音量を設定するパラメータと比べて、Panはイマイチイメージが掴みにくいですよね。
聴いた感じではなんとなく分かるけど、場所を変えたからって何になるのか、というような。
そこが見えてこないから、どう値を振り分けていいのかも分からない。
初心者にはとっつきにくいパラメータです。
Panで何をするかというと、音を左右に振り分けることで「空間」を作りだし、
曲をより臨場感のある華やかなものにする、というのが主な目的です。
奏者全員が1箇所に集まってひしめき合いながら音楽を奏でる……なんてことは、
実際はないですよね?
モノラルを表現するなんて場合はPanの概念はなくなりますが、
音楽は基本ステレオ……ではなく、サラウンドです。
サラウンドは難しいですが、ステレオくらいは何とかしないと
音楽としてつまんなくなります。
というわけでPanを使って空間を広げてやるのです。
逆に考えれば、Pan使っとけばとりあえず曲が豪華になる、とね。
まずはいじることから始めるのがDTMです。
パンの振り方については、中央によればよるほどその音の重要度が
高くなる、と考えていただければ、まぁ一般的な音楽になりますね。
真ん中にボーカルがいて、その左右にギターとベース、
さらにその横にキーボードやその他の楽器が来る……ほらもうそれっぽくなりました。
値的にはそれぞれの楽器が±10離れているといいバランスになります。
10ずつで振り切れなくなったら、さらにその間の5を取っていきましょう。
値が±60前後になってしまうと、そのパートは強烈なアクセントを放つようになります。
これは実際やってみないと分からないことなんですが、
意図的に強烈なアクセントを付ける時を除いて
その前後の値は避けるようにした方がベターですね。
Panの工夫した使い方を紹介しましょう。
1つめは滑らかにPanを上下させ続ける「揺らす」表現方法。
電子音なんかにこれを使うといきなりサイバーな感じが出ます。
端から端へいきなりPanを動かすのもいいアクセントになりそうです。
2つめはランダムに位置を変える表現方法。
音が発音されるたびに違う場所から音が聞こえてくる、
楽しげにも怪しげにも神秘的にもできる表現です。
例えば、笛の音にこれを使えば舞い散る花びらの様子や
揺らぐ木漏れ日を表現したりできます。
電子音でやれば夜空の星の瞬きから暗い洞窟の中のホラーな感じまで表現できちゃいます。
万能といえば万能なんですけど、設定すんのがクソめんどくさいんですよねぇ。
揺らす方は長い音でも効果がありますが、ランダムは短い音が連続するような場面じゃないと
ちぐはぐな感じになって逆効果。
何事もバランスを見ながら設定しましょうね。
ちなみにドラムに対するPanの設定は、特に理由がなければしないでください。
ドラムパートにはそれぞれの音に対して予めPanが振ってありますので、
わざわざ設定する必要がないんです。
設定するとしたら、ドラムパートを自力で追加できるようになってからしてください。
次のよもやま話は「Pitch Bend」だと思うよ。
打ち込みよもやま話:VolumeとExpression編
「Volume(ボリューム)」とは、音量を設定するパラメータです。
音楽機器でもお馴染みですね。
打ち込みにおけるVolumeは、パート毎に0~127の値を設定できます。
世間一般でのボリュームは、打ち込みではMaster Volumeと呼び、
前述のVolumeとは違うパラメータになります。
混同しないようにしましょう。
Master Volumeも0~127の値を設定できますが、特に理由が無い場合は常に100を設定するようにしてください。
下手に100より大きい値を設定すると音割れの原因になりますよ。
初期値が127で設定されているので、忘れず100に設定しなおすように。
Volumeに話を戻します。
基本的にこのパラメーターは曲の最初に1つ設定したら、以降は使用しません。
そのパートの音の大きさの基準を決めるパラメータなので、
そうコロコロと値が変わられると困ったことになります。
曲の盛り上がる部分に差し掛かる時だけ値を変更、というような使い方が一般的ですね。
音量が徐々に変化する(デ)クレッシェンドを表現したい場面が出てきたとします。
では、ある音を鳴らしている最中にVolumeを変更すると、どうなるでしょうか?
やってみると、その音が鳴っている間は音量は変化せず、次に発音する音から音量が変更されます。
Volumeの特性の1つですね。重要なのでDTMerは覚えましょう。
じゃあどうやって音量を動的に変化させるのかというと、
ここで「Expression(エクスプレッション)」の出番なんですね。
エクスプロージョン?それ「爆発」だよ。
Expressionも音量に関わるパラメータなんですが、値が変更された瞬間に
音量が上下するという点がVolumeと異なります。
0~127の値を設定でき、初期値は127です。手動で100にすることをお勧めします。
Expressionは非常に汎用性の高いパラメータで、後に出てくるPitch Bendと並んで
よく使用されるパラメータになります。
抑揚の表現はもちろん、小刻みに大小を繰り返してトレモロの表現、
残響音が残る音を無理矢理カットするミュート、
値0で音を鳴らしておいて徐々に音量を上げるフェードイン、
曲の終りに音を減衰させていくフェードアウトなどなど、
お世話になる場面は非常に多くなるでしょう。
Master Volume、Volume、Velocity、Expressionと、音量のパラメータだけでも4種類あるところを見ると、
曲を作る上でいかに音量の設定が大事かということが分かると思います。
よく使うExpressionは、是非とも使い方をマスターしてほしいパラメータですね。
すごい打ち込み作品だと、常にExpressionが動いてるものがあったりします。
そこまでの作品が作れれば上級者の仲間入りでしょう。
次のよもやま話は「Panpot」だと思うよ。
打ち込みよもやま話:Velocity編
「Velocity(ベロシティ)」とはNoteに設定できるパラメータの1つで、
そのNoteの発音の強さに関係する数値です。
決して舌で舐められるような街のことではありません。
このパラメータには0~127の数値が設定でき、基本値は100。
音を強く出したいときは値を大きく、弱くしたいときは値を小さくします。そのまんまですね。
音楽に抑揚をつける時に欠かせない、大事なパラメータなのです。
曲を作る時に一番多用されるのはパーカッションを入れる時でしょうね。
パーカッションは音程が一定なので、Velocityをいじってあげないと
のっぺりベタ打ちになってしまって聴いてて全く面白くなくなっちゃいます。
いじるならいじるで聞こえのいいように調整するのが難しいんですが……こればっかりは
実際にやってみて覚えていくしかないです。
アクセントや抑揚を意識して音楽を聴くのが大事ですね。
工夫した使い方もあります。もっぱらドラムにしか使いませんけど。
オープンハイハットというシンバルの音がありまして、
この音は1回鳴らすとクローズドハイハット、またはペダルハイハットの音が来るまで
鳴り続ける特性があります。
逆に言うと、オープンの音を終わらせるにはクローズドかペダルを鳴らさないといけないわけです。
もちろん少し時間が経てば自然に止まりますけど、曲のノリを引き出す時に
オープン止めたいけどクローズド・ペダルは要らないって時がたまに出てくるんです。
そういう時にもVelocityが役に立つんですよ。
オープンの音を止めたい場所にVelocityを1にしたクローズドかペダルを設置します。
すると綺麗にスパっとそこでオープンの音が止まり、余計な音も聞こえなくなるんです。
テクノな曲で多用するとかっこいいですね。
ちなみに、音源にもよりますがVelocityは大体10前後の値から「無音」と扱われます。
超弱い音を鳴らしたい時、値を小さくしすぎないように注意しましょー。
さらにちなみに、Velocityの値を0にするとそのNoteは何もしないものとして扱われるようです。
オープン止める時にVelocityを0にしちゃうと、オープンが鳴り続けちまうわけです。
これも気を付けたいところですね。
できる限り全てのパート・全てのNoteに設定してあげたいVelocityですが、
逆に設定しない方がいい場合もあります。
例えばパッドなどの音圧を稼ぐシンセ楽器のパートは、
下手にVelocityを使って揺らがせるより何もしないでおく方が、曲のバランスが安定します。
矩形波、ノコギリ波といった動くシンセ音も、Velocityをいじらない方がいい時があります。
曲の雰囲気、聞こえの良さとよく相談して設定しましょう。
前回出てきた「ヒューマナイズ」ですが、これはVelocityもランダムで散らしてくれます。
実に便利な機能ですが、この機能は下手に使うとNoteの発音位置が被ったり
折角設定したVelocityの値が予想外に散ってしまったりと、弊害が発生することがあります。
俗に言う諸刃の剣ってやつですね。これからやろうって人はマジで気を付けてください。
次のよもやま話は「VolumeとExpression」だと思うよ。
打ち込みよもやま話:Note編
さぁ始まりました、打ち込みよもやま話のコーナーです。わーわー。
筆者がMIDIに関する色んな事を適当に書き連ねて行くコーナーになる予定です。
打ち込みに興味の無い人にはあんまし面白くないかも?面白く書く努力はしますよ!
初回ということで、打ち込みの基礎基本である「Note(ノート)」の話からいきましょうか。
Noteとは、授業中に取る奴……ではなく、楽譜の「音符」を意味する言葉です。
これをMIDIシーケンサのピアノロールだとかスコアロールに設置し、音楽を作っていくわけですね。
このことを通称で「打ち込み」と呼びます。ガシガシ野球の練習をすることではありません。
MIDIにはリバーブやピッチベンドなど、色んなパラメータがありますが、
そのどれもがNoteに対して働きます。
ということは、まずNoteのことを知らないと上手いMIDIを作ることが難しくなります。
もっとも、筆者も完璧に理解してるわけじゃないんですけどね。テヘ。
Noteには音符と同じく音の高さや音の長さといったパラメータがあります。
設定にもよりますが、音の長さは一般的なもので1拍480GateTime(ゲートタイム、以下表記省略)、
一小節あたり1920という値で区切られています。
8分音符♪は1920÷8=240という値になるわけですね。
結構大きな数が割り振られているのがわかると思いますが、この数値が重要になってくるんです。
1拍が480分割できるということは、それだけ細かいニュアンスをNoteの配置で表現できるということになります。
上手く使えば、なんだかいいMIDIができそうですよね?
まぁ480分割して細かくーなんてことはほとんどないですが、
とりあえず1拍48分割くらいには弄れるようにはなりたいところです。MIDI職人であれば。
ちなみに他にも音の強さや音の開始位置とかってパラメータもありますが、そっちは割愛します。
今述べたようなことでどういう細かいことができるようになるかというと、
主にスラーやスタッカート、ギターのストロークなどが挙げられます。
4分音符でメロディを刻むところで長さを+10とかすると、
音が滑らかに変化するスラーが表現でき、
8分音符で動くリフで長さを-20~30とかすると、
トントンと切れのいいスタッカートが表現できるんです。
ベースギターや木管楽器で常に-10することで
タンギング的な感じを出すこともできます。
こういう細かいニュアンスを表現するのが難しく、楽しいんですよね。
変わった使い方だと、極めて短い長さで細かく適当にNoteを散らすことで、
効果音を作ったりもできます。モノは使いようです。
たまに曲の完成後にランダムで値を散らし、生演奏っぽさを出す
「ヒューマナイズ」というようなこともします。
これは機能をサポートしてるMIDIシーケンサに頼むが吉。
とまぁNote1つ取っても色ぉんなことができちまうんですね~。
いかにどんな曲にも存在するその曲の「ノリ」を引き出せるか、これがカギなんです。
持論ですけど。
べらべらとよくわからん話をのたまってきましたが、
これ見て「妙ちきりんなことやってんなぁ」とでも思ってもらえたら本望です。
プロの方々は細部は違えどこういうことやってるわけですしね。
次のよもやま話は「Velocity」だと思うよ。
最近のコメント